何のことはない?2009年08月14日 07時25分49秒


 久々である。本日は世間並みにお盆休みということで休暇である。とは言え、あまり極端に生活パターンを変更させてしまうと来週月曜日がきついゆえ、ほぼ通常的に時間配分をしているつもりである。

 さて、久々といえば、もしかしたらごく少数のこのブログ愛読者がいると仮定して、駅前のハトたちはどうしたのだろうか?と気にしてくれている奇特な人もいるかもしれない。今日はそのてん末について記そうと思う。

 じつは、もう1ヶ月ほど前からだろうか、筆者が常駐勤務している会社で長年勤務していた人物が突然退社してしまった。その人物はその会社設立当初から在籍していたのだが、一身上の都合ということで退社してしまったのである。

 その人が今年初めからは出勤時間が早く、それを見越して筆者も早めに来て、ちょっと駅前の広場で一服したり、簡単な朝食を食べたりしていた。エサあげおじさん第二代めを勝手に襲名したのも、時間的に余裕があり、早めに出勤していたこともあった。

 ところが、その人が退社してしまったために、従来通り出社しても、他社の人間である筆者はカギを持っているわけでもないゆえ、門の外で延々と待たなくてはならない。そこで、従来より15分程度は遅く出勤することにした。もちろん、遅くしたと言っても、まだまだ通常よりは早いゆえ、相変わらず駅前の広場で一服から二服はできる時間的余裕はある。

 つまり、第二代エサあげおじさんとして君臨した時より15分程度遅い時間帯の駅前広場の状況を体験することになったわけである。もっとも昨年まではその時間帯を見ていたわけで、初代エサあげおじさんもそんな時間帯に出現していたのだったが。

 …そんなある日、おやっ?あれは確か…という人物が出現した。そう、あれは紛れもなく初代エサあげおじさんではないか?筆者は懐かしく、初代エサあげおじさんの姿を追った。

 すると、初代エサあげおじさんはかつて見慣れた動作で、ハトたちにエサを振り撒いたのであった。な~んだ、初代エサあげおじさんは健在だったのか!筆者は懐かしさとともに何となく安堵感を覚えたのだった。

 しかし、初代エサあげおじさんは必ずしも毎日出現するわけでもないようだった。3日ほど連続して見かけたが、その後は姿を現さなかったり、どうにも不規則なようである。

 ところが、何と、ハトたちにエサをあげる第三のエサあげおじさんは他にも存在したのだ。ベンチにすわっている地元のおじさんらしい人物、いかにも日常的にハトたちにエサを与えているような動作と雰囲気のおじさん…少なくともそんな人物を日替わりで4人は見かけた。

 なぁ~んだ、結局のところ、筆者が第二代エサあげおじさんを襲名し、必死になってエサをあげていた時期でも、15分後には別のエサあげおじさんが出現し、エサをあげていたのではないか?筆者はふとそう推測した。

 もちろん、筆者が第二代を襲名して、業務を遂行してした時期の15分後は、確認できるはずもなく、実際はどうだったのかはわからない。 しかし、少なくとも誰かしらが、そのスタイルでハトたちにエサをあげていたようである。もしかして、筆者がエサあげ業務を遂行した15分後に、また別のエサあげおじさんが出現していて、ハトたちは2度めの朝食にありついていたのかもしれない。

 いや、そう考えると、もしかしたら二代目エサあげおじさんが業務遂行する15分前には、また別のエサあげおじさんが出現していたのかもしれず、そうであれば、ハトたちはちゃっかり3度の朝食にありついていたのかもしれない。

 何のことはない。二代目エサあげおじさんは、果たして二代目だったのかすら定かではなく、簡単に言ってしまえば、二代目が存在しなくとも、数人のエサあげおじさんが存在していたのだろう。なんてこったい!

 今となっては、完全引退し、そうした複数のエサあげおじさんが、それぞれのスタイルでハトたちにエサをあげる様子を傍観者として見ているのである。もちろん、そのエサに群がってくる多数のハトの中には、筆者が現役として任務遂行していた頃に擦り寄ってきていたハトも存在するのだろう。もしかしたら必死の思いで救出してあげたあの2羽のハトすら存在するのかもしれない。なんてこったい!まぁ、今となってはど~でもいいけど。

引退後の言い訳声明文2009年07月07日 05時15分00秒

 正確にはわからないが、2ヶ月以上に渡って就任した第二代エサあげおじさんの業務…想定外の結末により劇的な引退となった。しかし、これはむしろ好ましいことなのかもしれない。今さらながらではあるが、野生の生き物は、人間があえてエサを与えなくても生きていけるものであり、むしろエサを与えない方がいいと言われている。

 よく耳にすることとして、野良猫にエサを与えることによって迷惑をこうむる人がいて、迷惑を受けている人からすると、別にネコを飼うわけでもなく、気晴らしのようにエサを与えても困るし無責任だ、という声が聞かれる。

 そもそも野良猫という立場にしてしまった人間に問題もあるのだが、ハトの場合もホームページなどでいろいろと調べると、ハトの糞による害についていろいろと書かれている。よく駅のホームなどでも「ハトにエサを与えないでください」という張り紙が貼ってあったりする。よく駅のホームなどに生息しているハトは見かけるが、ホームの屋根から糞を落としたり、いろいろな迷惑があるからである。

 そうした害も当然だが、何よりも本来野生の生き物に対して、餌付けをすることは、その野生の生き物にとってはマイナスになってしまいかねない…という現実である。エサをあげる側は善意であっても、その結果、野生の生き物は人間からエサをもらえることに慣れて、今度は逆に野生の厳しい世界で生きることが困難になってしまう可能性がある、ということである。

 確かに、筆者は家で犬のパピヨンを1匹飼っており、それ以外にも、もともとは息子がまだ幼稚園だったか、小学生低学年だったか、定かでないが、飼いたい…とせがまれて買ってやったものの、いつの間にか息子はまったく世話をしなくなり、今となっては筆者が世話をしているゼニガメが2匹いる。このカメももう10数年我が家にいるわけだが、大きい方は甲羅の直径(長い方)が15cmほど、もう1匹もそれより一回り程度小さい12cm程度の大きさである。

 この大きさになってしまうと、本来なら結構大きな水槽なり器なりで飼育してあげるのがあ好ましいことは十分にわかっていながら、スペースの問題から結構窮屈な思いをさせている。今さら、どこかに放す…というのもいかがなものか、と思うし、飼った以上は責任を持つべきとも思っている。

 その意味からすると、ハトに対しても同様である。ちゃんと飼うなら、それはそれで責任を持つべきだが、エサあげおじさんのように通りすがりの飼育者では、結果的にハトの自然対応力を弱め、エサあげおじさんを頼りにされても、決していい結果にはならないのである。

 何やら、強制引退したから…というフシもあるが、結果論としてむしろ引退勧告は好ましいことだった…と思えるのである。あのえこひいきした白いハトだって、いつの間にかパートナーを見つけ、ちゃっかり幸せになったようであり、そうした野生の生き物の世界には、あえて人間が踏み込んではならない領域もあるのである。野生の生き物と人間の共存というのは、環境的な問題はもちろん大切なことであるが、それはエサを与える…ということではないはずである。

 2ヶ月以上に渡って、勝手に第二代エサあげおじさんを襲名し、強制引退に追い込まれながら、非常に見苦しい弁明ではあるが、あの2羽のハトの突発的アクシデントは、エサあげおじさんとして最後の責任ある行動だったとして、潔く完全引退を受け入れ、今後は傍観者として野生の世界で生きるハトを見守りたいと思う次第である。

エサあげおじさん引退へのカウントダウン~最終回~2009年07月06日 23時55分00秒

電線に止まるハトの群れ
◆エサあげおじさんは永久に不滅です!◆
 ついにこの日が来た。今までも任意引退か?とか記した割には復活したりしたエサあげおじさんだったが、今度ばかりは誇大広告ばりではなく、どうやら完全に引退を余儀なくされた…と言うべきだろう。

 一体突然何故…この文章に先立って、エサあげ業務中に突発的に発生した事件を記した。そう、エサあげ業務を開始した早々に発生した2羽のハトがからんでしまった一件である。

 詳細はその文章をご一読いただきたいが、エサあがおじさんとしては、今まで触ったこともないハトで、少々怖い気持ちもあったが、エサあげが蒔いたタネとばかりに責任を感じ、必死の思いで10分近くかけて、恐る恐る片手にハンカチを持ち、片手は素手のままで、何とかからまってしまったハトを救出したのであった。

 その日は自分自身でも、よくぞ野生のハトを触れたものだ…と突発的に発生した事故に対する行動を密かに賞賛し、いざとなればやるもんじゃい!と悦に入っていた。そして同時に第二代エサあげおじさんとしての責務をまっとうした満足感、もし触るのが怖いからとあのまま見過ごして立ち去ったら、きっとその後ずっと後悔し、2羽のハトのその後を気にして残りの人生を過ごしただろう、と思った。

 しかし…救出したヒーローと思っていたのは、じつはエサあげおじさん本人だけであり、ハトにとってはどうやら違ったようなのである。 翌日、梅雨時でもありいつ雨が降ってきても不思議ではない状態だったが、その朝のエサあげ業務時間帯は何とか雨も落ちていない状態だった。

 しかし、所定の位置にハトがいない。まぁ、こんな光景は今までもあったゆえ、どこかでハトがエサあげおじさんの姿を認知すれば、1羽また1羽と飛来してきて、あっという間にいつもの数のハトが集まってくるはずだった。

 ところが、エサあげおじさんのポジションからちょっと離れた場所に飛来したのは4~5羽のみである。まぁ天気もこんなだし、仕方ないか、業務を開始すればどこからともなく10数羽のハトが集まってくるだろう…と思っていた。

 そして、いつものように細かく切ったパンをひとまきした。…しかし!何やらそこにいる4~5羽のハトは遠慮しているように寄ってこないではないか。それでもちょっと時間がたつと、何となく恐る恐る散らばったパンを食べ始めた。しかし、どことなく変である。

 そして、次の2投めを投じようとしたその行動に、驚いたように4~5羽のハトはバサバサと羽根をはばたかせて飛び去ってしまったのである。そして、もうふたたびその場所には戻ってくる気配がない。離れた電線の上に止まっていた他のハトたちに合流して、そのままである。 アスファルト上に散らばったパンを、ラッキーとばかりに雀がくわえて飛び去っていく。

 エサあげおじさんは愕然とした。離れた電線に止まって、じっとしているハトたちは、本来なら所定の場所に飛来してくるはずの数である。 その様子はまるで、エサあげおじさんに近づいてはいけない、食べてはいけない、無視しろ…という命令に従っているようにさえ思える。

 そ、そうか!エサあげおじさんは何となく恐る恐る食べていたハトたちのいつもとまったく違う様子の理由を推測し、そして理解した。ハトの群れにも多分ボス格のハトが存在し、エサあげおじさんに近づいてはいけない、食べてはいけない…という絶対的な命令が出ていたのである。

 そんなバカな!エサあげおじさんはうろたえた。一体なぜ、私がこんな目に遭わなくてはならないのか?私はからまってもがいていた2羽のハトを救出してあげたヒーローのはずでは?

 そう、確かにエサあげおじさんの中ではハトを救出したヒーローである。もし、この一件を最初から最後まで見ていた人がいたら、やはり同様に、なんてハトを可愛がっている心優しいおじさんだろう…と賞賛してくれるに違いない。

 しかし、それは人間社会でのことなのだ。ハトの世界では、認めたくないが、ハトを虐待した野蛮な人間というレッテルを貼られてしまったのであろう。もがいているハトをやっとの思いで離すことができたあと、もしかしたらどこかケガでもしていないか、気になり別々の方向にいる2羽のハトを確認した。

 足がからんでしまった方のハトは、とくに足を引きずる様子もないし、大丈夫だった。首のあたりに毛に足がからまってしまったもう1羽のハト…こちらの方が非常に心配だったが、とりあえずあの時は別の方向に向かって通常通り歩いていたし、毛がからんでいる時に一番心配した、もう1羽のハトの足のツメがのどに突き刺さってしまっているようなこともなかったのは確認した。

 もしかしたら、あの後、後者のハトは死んでしまったのだろうか?とふと思った。いや、そんなことはないはずだ、と否定しようにもその確認もできるはずもない。少なくとも救出の最中に確認した限りではケガをしている様子はなかった。

 むしろ、最も心配だったのは、もしあのまま見捨ててその場を立ち去っていたら、誰かがからんだ状態から解放しない限りは2羽とものたれ死にしたか、最悪動けない2羽にカラスが襲いかかってくるかしかなかったはずである。

 とにかくエサあげおじさんとしては、人間として、エサをあげた当人として、最大限の責任を果たしたつもりであった。しかし、様子を見る限りではハトたちにはそうは思われていないようだ。今まで、大挙して飛来してきたハトたちは、まったく手のひら、いや羽根を返したかのごとく、完全にエサあげおじさんを危険人物として認識してしまったようである。

 その群れの中には助けたハトはいないのか?いるなら、ちゃんと他のハトに説明してくれ!エサあげおじさんは心からそう叫びたい思いであった。

 しかし、いかんせんハトの世界のことは皆目わからない。ただ、統制が取れたそのハトたちの様子は、明らかにエサあげおじさんに対して今までのような親密さのかけらもない。エサあげおじさんは、仕方なく、その日のパンを持ち帰り、明日また試してみようと思った。

 しかし翌日は雨、次の日も雨…いつもの場所を通り過ぎつつ、電線を見ると、こんな雨の中にも関わらず、10数羽のハトはじっと止まっている。その光景はまるで仲間に哀悼の意を表しているようにすら思える。

 そして週末となった。雨は降っていない。もし、この日も同様なら、完全にハトたちはエサあげおじさんを敵視し、もう2度と近づいてこないだろう…、そうなったら残念だがエサあげおじさんは引退するしかない…と覚悟を決めて、所定の位置についた。

 しかし!やはりハトたちは電線に止まり、ほとんど動かない。別の場所でウロウロしていた2~3羽のハトが、もしかしたら近づいてきてくれるのでは?というかすかな期待も見事に裏切られ、それらもエサあげおじさんのそばに来ることはなく、飛び去って電線上のハトに合流した。

   決定的である。あまりにも意外な形でエサあげおじさんは引退勧告を受けたのである。リストラである。懲戒解雇である。

 それにしても…。エサあげおじさんとしては当然、納得できることではない。ハトを虐待するどころか、救出したのである。触ったこともない野生のハトを勇気を振り絞って助けたはずである。紛れもなくこれでは冤罪ではないか!

 しかし、いかにエサあげおじさんが人間社会の意識や常識で訴えてもハトには届かない。ハトからすれば、多分2羽のハトを虐待した凶悪犯罪者なのであろう。

 この日は前日まで雨などもあり、あげることができず、持参したものの持ち帰りとなってしまったパンもカビが発生してしまい、全て捨てて、買っておいたハト専用のエサを持参していた。しかし、それも無駄になってしまった。

 正式に第二代エサあげおじさんを襲名した日は定かではない。ただ、かれこれエサあげ業務を開始してから2ヶ月以上は経過していたかと思う。別に恩をきせるつもりは毛頭ないが、日曜日には自身のパンを買うと同時にハト用のパンもわざわざ購入していた。

 そうしたことも、全てあの2羽のハトがエサの奪い合いをしてだろうが、からまってしまい、バサバサともがいた一件で消えてしまった。救出したにも関わらず、エサあげおじさんはハトたちからエサあげじさんという業務を解雇されたのである。

 …結局、こうなってみると、ハトたちは間違いなくエサあげおじさんの姿を認知していたことになる。そして、ハトは集団で生きている中で、非常に統制が取れた鳥なのだということを知った。

慣れなれしく人間に近づいてくるハトだが、それでも悪人は正確に見極め、例えエサを与えようとしても、そういう人間には決して近づかない野生の本能を持った賢い鳥であることを知らされた。

 多少の未練はあるものの、ハトにそうした固定観念を持たれ、見事な統率によって決して近づいてこない以上、いかにエサあげおじさん業務継続を望んでも、無駄である。ゆえに、無念ではあるが、エサあげおじさん引退をここに表明する次第である。

エサあげおじさん引退へのカウントダウン~その2~2009年07月05日 19時10分09秒

◆突発的な出来事◆
 週明けの月曜日のことである。エサあげおじさんは、また今週も業務を遂行すべく、その日の朝もいつものパターンで所定の場所に向かった。

 天気はよく、結構な数のハトがおじさんではなく、朝食を待って待機していた。ふぅ~む、こうして待っていられるとエサあげおじさんとしても業務のやりがいがあるというものである。さぁ、では本日の朝食ですよ~とリュックに持参した細かく切ったパンをさっと一まきした。いつものように我先にと一斉にハトが群がる。

 …その直後のことである。2羽のハトが激しく羽根をバタバタさせている。はは~ん、エサの取り合いをしてケンカでもしているのか…と思いきや、どうもそんな状態ではない。もがくように2羽が羽根をバタバタさせて転がっている。その様子に周囲に群がっていたハトは一斉にその場から飛び去って、離れた電線の上に行ってしまった。

 エサあげおじさんも、一体どうしたのか?さっぱりわからず、2羽のバタバタしているハトを見ると、どうもどこかで何かがからまってしまったようで、2羽が離れられなくなってしまったようなのである。

 こんな状態に遭遇したのはもちろん初めてであり、どうしらいいのかもわからない。かといって、このまま放っておけば、2羽は離れることができず、もがいて地面を転がるばかりである。遠くで見ているのだろうか、カラスの不気味な鳴き声が聞こえる。放っておけば、やがて動けなくなるだろうし、カラスが狙ってくるかもしれない。

 エサあげおじさんは意を決して、救出に立ち上がった。しかし、第二代エサあげおじさんを勝手に襲名したとは言え、ハトの扱いの慣れているわけではない。だいいち、ハトなど触ったことすらない。しかも2羽はもがき苦しんでいるのである。

 最初は恐る恐る、片手にハンカチを持ち、どこがどうからまっているのか見つつ、ちょっと触ってみたが、そう簡単に2羽を離せるような状態ではないようだ。2羽はお互いに羽根をバタバタさせて、離れようと試みるのだが、ダメである。1羽の足のあたりにもう1羽の首周辺の毛だかがからまってしまっているようである。

 エサあげおじさんは、もうこうなりゃ何とかするしかない、とばかり、懸命に2羽のからまっている部分をハンカチで解きほぐすようにしつつ、首のあたりが辛そうなハトを気遣い、懸命の救出作業を続けた。

 近くのベンチに腰を下ろしている人もいたが、まったく無関心である。 昨日の雨で水気があるアスファルトの上で羽根をバタバタさせるものだから、エサあげおじさんの顔にもそのしぶきが当たる。メガネにも水滴がつく。

 2羽のハトはエサあげおじさんが自分たちを救出しようと試みてくれていることを多少は理解しているらしく、からまった部分を解きほぐそうとしている時はおとなしくしていてくれる。

 そうしているうちに徐々にからまっている部分もよく見えるようになり、前になっているハトの足のツメが後にいるハトの首あたりに突き刺さっていないことを確認し、何度かちょっと力を入れて引き離そうとし、ある程度まできた段階で、もしかしたらちょっと痛いかもしれないけど我慢しろよ、とばかり力を入れて2羽をさっと引き離した。

 その瞬間、見事に2羽は離れることができた。ふぅ~と一息つき、エサあげおじさんが2羽の様子を見ようとすると、前にいたハトは特に足を引きずるようなこともなく無事である。後方にいたハトは、と見ると、反対方向に見る限りでは問題なく歩行していた。

 その間、約10分たらずだろうか?ハンカチはびしょびしょになり、一巻きしたパンもそのままである。群がっていたハトたちは、相変わらず電線に止まったまま、こちらに来ようとはしない。そんな突発的事態が発生したために、その日のエサあげ業務は中止となった。散らばっているパンを見つけて、ちゃっかり雀が食べていたりする。

 もし、そんなこの日の一部始終を見ている人がいたら、あのおじさんは一体何をしているのだろう?と思ったことだろう。野生のハト2羽がもつれるようにバタバタともがいているのである。何ということだ!…ふと思いつつ、本当によかったと安堵した。

 そもそもエサをあげているのは私なのだ。エサを奪い合って、からまってしまったのはハトの自己責任かもしれないが、少なくともエサをまくようなことをしなければ、その2羽のハトがそんな状態になることもなかったのである。

 もし、ハトなんて触ったこともないし、どうしようもないから…と知らんぷりして、その場を去っていたら、きっとずっと気がかりだっただろう。最悪の場合、死んでしまったり、動けない状態でカラスの餌食になってしまったりしたら、それこそ筆者は最低の人間である。

 出勤の時間もあったため、2羽を救出して、ちょっとその場で様子を観察して立ち去ったが、とにかくよかった!やるべきことをやった…と安心するとともに、よくぞ野生のハトをあそこまで素手で触ったりできたものだ…と切羽詰った時の自身の行動にちょっぴり驚きでもある。

 2羽のハトはエサあげおじさんが救出したことを理解してくれているだろうか?一瞬にしてその場を飛び去って、電線で待機していた大勢のハトたちは、そんなエサあげおじさんを理解してくれているだろうか?

 …たぶん、そんなことはあり得ないだろう。助けてあげたからどうこう…などということはもちろんないし、おとぎ話の世界なら、その後の展開がおもしろくなりそうな出来事ではあったが、野生のハトである。

 また、次の日になれば、そんな大騒ぎがあったことすら忘れて、朝食に群がってくるだろう。もしくは警戒して、全く近寄ってこなくなってしまうかもしれない。そうなれば、それはそれで仕方ない。第二代エサあげおじさんの事実上の引退ということである。

 朝っぱらから、とんでもない事態に遭遇する羽目になったが、何か自分自身としては、絶対に触ることなどできないと思っていた野生のハトに最大限の努力ができたことが、何か嬉しい気分で、ちょっぴり自分で自分を誉めてあげた次第であった。

※エサあげおじさんは最大限の勇気を振り絞って、からまってバタバタする2羽のハトを何とか救出した。エサあげおじさんとしての責務を全うし、ハトたちからしても仲間を救出してくれた、まさにヒーローになったかとも思えた。ところが…。それは、紛れもなくエサあげおじさん引退へのカウントダウンだったのである。…次回につづく

エサあげおじさん引退へのカウントダウン~その1~2009年07月04日 13時10分38秒

馴れ馴れしいハトのアップ写真

◆挫折・復活、そして…ある衝撃的な事実◆
 しばらくご無沙汰となってしまったが、相変わらずエサあげおじさんの業務は継続中である。もう2ヶ月くらいは経過したのだろうか?まぁ、期間などど~でもいいのだが、しばらくご無沙汰の間にエサあげおじさんとしてはある意味では挫折感を味わい、復活し、また違った意味での衝撃を受けることがあった。

 …こう書くと、何だ何だ?と興味を引く作戦のように見られるだろうが、ど~せほとんど読者もいないこのブログである。(ぽっぽさんは愛読してくれているのだろうか?)

 まずは挫折感の一件から。何ともうっとおしい梅雨の時期である。必然的に雨の日が多くなる。小雨程度なら、何とかエサあげ業務も続行できるかもしれないが、ザーザー降りとなるとさすがにハトはどこかで雨宿りゆえ姿を見せない。

 その日は確かに晴天とは言い難い空模様であった。しかし、雨は降っていなかった。エサあげおじさんがいつものようにリュックにエサを準備して、某駅に降り立ち、いつもの噴水付近を見ると何故かハトが1羽もいない。おや?妙だな?と思いつつ、とりあえずいるものように近くのコンビニで飲物を購入し、所定の場所に到着した。ここで、エサあげおじさんの姿を見つけ、一斉にハトが飛来するはずであった。

 …ところが、その日に限って、所定の位置についたにも関わらず1羽もいない!な、何だ、一体どうしたというのだ?エサあげおじさんは焦った。待つこと2~3分すると、ようやく1~2羽のハトが飛んできた。

 こうなれば、このままエサを持ち帰るわけにもいかない…と、寂しく、2羽のハトにエサをまいた。するとどこで見ていたのか、ようやく1羽、また1羽とハトが飛来した。それでも総勢で10数羽という、いつもに比べると少ない。とりあえずその日は少数精鋭のハトにエサあげ業務を遂行して終わった。

 そして翌日…。今日こそは、と意気込むエサあげおじさんの意欲は完全にへし折られた。またしても1羽もいない!一体、どういうことなんだ?エサあげおじさんにはまったくわけがわからない。野生の動物は天災などを敏感に感じるというゆえ、もしかしたら何かとんでもないことでも起こるのだろうか?

 …と、エサあげおじさんが所定の位置で呆然としていると、前日同様に2~3分後に1羽、また1羽と飛来し、昨日とほぼ同数のハトが集まり、ようやくエサあげおじさんの業務は開始された。それにしても2日も連続してこの状態…エサあげおじさんは、意味不明ながらふと考えた。

 もしかして、新たなエサあげおじさんが出現したのだろうか?はたまたハトたちから戦力外通告を受けたということだろうか?となれば任意引退どころか、自由契約である。リストラである。エサあげおじさんは思った。もし、明日もこのような状態だったら、潔く引退しよう…と。

 運命の翌日、エサあげおじさんが半信半疑でいつものようにリュックにエサをしのばせ、某駅に降り立ち、所定の場所を遠くから見ると、おやっ?打って変わってハトたちがしっかりと待機しているではないか!な、何ということ!エサあげおじさんが喜び勇んで所定のポジションに到着すると、この2日間は一体何だったんだ?と思えるようにハトたちが集まってきた。

 中には慣れなれしく、おじさんの膝に乗ってエサを待っているハトすらいる。何だ何だ、昨日までとは打って変わって、一体どういうこった?…と思いつつ、エサあげおじさんは無性に嬉しく、業務を遂行したのである。

 そして翌日も、週末の金曜日もいつもの通りのハトの群れがエサあげおじさんの周辺に集まって、楽しい朝食のひとときを過ごしたのであった。エサあげおじさんも嬉しさのあまり、ついサービスで自分の昼食用に準備しておいたパンを1つ、エサとして追加してあげてしまったほどである。

 こうして、2日間の摩訶不思議な現象からエサあげ業務解雇を通告されたのでは?と落胆していたおじさんはふたたび復活したのであった。

 そしてその週末の金曜日のことである。筆者が勤務する会社の建物の斜め向かいに2階建て集合住宅があるのだが、休憩にちょっと一服…と外に出て、ふと目をやるとな、何と!白いハトがその集合住宅の屋根の上に止まっているではないか!一瞬わが目を疑った。

 筆者は極度の近視+老眼となってしまっており、通常はパソコン用のメガネをかけているのだが、明らかにあれは白いハトである。羽根にグレーなどが見えないから、間違いなく白いハトである。しばらく姿を見せない白いハトに間違いない…と思われた。そしてそのそばの電線にごく見慣れた体色のハトが止まっている。

 白いハトは屋根からそのもう1羽のハトにそばに移った。ちょっと一緒にいたかと思ったら、白いハトはまた集合住宅の屋根に移り、またちょっとたつと電線に止まっているハトのそばに戻ってくる。…そ、そうか!そうだったのか!エサあげおじさんは納得した。白いハトが忽然と姿を見せなくなったのには、こんな理由があったのか!

 彼氏ができたのか!(注:白いハトの性別は不明だが、筆者はその容姿やしぐさから、多分白いハトはメスだと勝手に判断していたのである)白いハトはエサあげおじさんのえこひいきのエサよりも、そばにいるハトを選んだのである。そ、そうか、そうだったのか!はっきりと確認できたわけではないが、遠くから見る限り筆者には間違いなくあのえこひいきしていた白いハトだと思った。

 そして、その白いハトは幸せになっていたのである。あんなにえこひいきしてあげたのに…複雑な心境になりながらも、見た目にも明らかに夫婦になったかのごとく白いハトともう1羽のハトを筆者は呆然と見つめた。しかし、これはいいことなのである。白いハトにとって、何より大切なのは幸せになることなのである。

 それにしても久々の業務報告となったこの1週間の出来事は、戦力外通告、そして復活を経て、あの白いハトの意外な近況を見かけるという何とも波乱の1週間となったのである。

 それでもまた新たな1週間が始まれば、エサあげおじさんは雨が降らない限り、出勤日には第二代エサあげおじさんとして、また業務を遂行するのであろう。

 …ちなみに、今さらながらの疑問なのだが、すでに2ヶ月くらいが経過した第二代エサあげおじさんの業務だが、今まで皆勤賞のハトはいるのだろうか?あの白いハトのように決定的な特徴があれば、わかりやすいのだが、濃グレー系を主体としたハトはまったく見分けがつけられず、日々エサあげ業務を遂行しながら、ふとそんな疑問を抱いた。

※挫折感を味わい、再度復活し、そしてあのえこひいきの白いハトの「その後」にショックと祝福の念を持ちながら、業務を遂行するエサあげおじさん…しかし、そうした日々は意外な結末に向かうプロローグだったのである。そのカウントダウンを3回に分けて、連続公開したい。…というわけで次回につづく。

エサあげおじさん復活の気配?2009年05月24日 08時03分13秒

久々に姿を見せた白いハト

 前回のブログで任意引退か?と、週刊誌ばりのタイトルで注意を引こうと試みたが、そもそも読者なるものが果たしているのか?という現状ではまったくの一人芝居の様相であった。

 実際のところ、えこひいきしていた白いハトの姿が見えなくなってからもエサあげおじさんはもちろん業務を遂行していたが、やはり何となく物足りなさを感じ、モチベーションの低下から何か口実があれば引退も辞さない…という状況であった。

 もちろん、考えてみれば、このエサあげおじさん2代目を勝手に襲名した際には、白いハトなども存在せず、特定のハトがどうこう…というものではなかった。

 しかし、人間というものは、一度何かの味をしめてしまうと、なかなかその味を忘れることはできなくなってしまうものである。何もわざわざハトにエサをあげる目的で、その以前より1本早い電車で出勤などする必要があるのか?と自問自答しつつも、勝手であろうが2代目を襲名した以上、後継者が出現するか、何らかの事情で業務遂行不可能となるまでは任務をまっとうすべきでは?…などとワケのわからない義務感も捨てきれなかった。

 今週は何となく体調も優れない。やたら暑くなったせいなのか、睡眠時間の配分で失敗しているのか、やたら眠く何となくダルい感じである。そんな週の後半戦となる5月21日木曜日…いつものようにエサあげおじさんが所定のポジションにつくと…おお!な、何と、あの白いハトが!

 一瞬、目を疑った。群れの中には白ベースでところどころに黒やグレーが混じった体のハトもいるゆえ、うっかりそれと見間違えたか?と思った。しかし、紛れもなくあの白いハトである。

 な~んだ!元気でいたのか!よかった、よかった!…エサあげおじさんは独り言のようにつぶやいた。久々に登場した白いハトは何となく、以前よりは堂々と見える。気のせいだろうか?いつものようにエサをまく。すると一斉にハトたちが群がって、われ先にとパンを食べる。

 白いハトは、と見ると、相変わらず押しのけられるのだが、何となく以前よりはその度合いが弱く、群れの中で負けまいとするような雰囲気が感じられる。それでも時々、機を見ては近くに寄ってくる白いハト専用にパンを置く。何となく見ていても以前よりは逞しく感じられた。

 ふ~む、しばらく姿を見せなかったのも、もしかしたら武者修行にでも出ていて、鍛えられたのかもしれない。やはり野生の生き物である。 それにしても、白いハトの久々の出現によって、何やら元気づけられた。あそこまでえこひいきして、気遣っていたハトである。突然、姿を消した後の空しさも再会によって一気に吹き飛んだかのごとくである。

食事後に首を振る白いハト

 考えてみれば、突然勝手にエサあげおじさん2代目を襲名し、業務を遂行し始めてから早1ヶ月半以上経過した。どんなことでも同様なのだが、継続することは結構大変なことである。

 確かに、ハトたちの動作をよく見ていると、なかなかユニークであり、ボ~と観察していてもおもしろいものであり、何となく心は和み、癒されている面も多々ある。そして、ふといろいろなことを考える。

 ハトはどの程度の知能があるのだろうか?エサあげおじさんを認識しているのだろうか?何を考えているのだろうか?いや、そもそも思考能力というものがあるのだろうか?

 そんなことから、いろいろな考えに広がっていく。そういえば、ハトって子どもの頃から今までも日常的によく見かけてきたが、まったくハトに対しての知識がない。古くは伝書鳩…などに使われるように帰巣本能に優れている…というようなことは聞いたことがある。

 しかし、日常見かけるハトにも種類があり、普段はどこに生息しているのか、生態はどのようなものなのか…学問的知識となるとさっぱりであることに改めて気づく。

 そして、それと同時に、思考能力がどうこうということもあるが、生き物であること、つまり大切な命を持って、日々生きていることは筆者と何ら変わることのない事実であることにも気づかされるのだ。

 ちなみに翌5月22日(金)は、残念ながら白いハトの姿は見えなかった。しかし、心なしかたくましくなったように思える白いハトである。また気が向いたらフラッと姿を見せてくれるだろう。

※前回の「エサあげおじさん任意引退か?」の記事に、な、何とコメントをくださった方が!ガ~ン!だ、大大感激です!その名はぽっぽさん。広い世の中、やはりそっと見てくれていた人は存在していたのですね。本当にありがとうございました。

エサあげおじさん任意引退か?2009年05月09日 14時04分29秒

やけに馴れ馴れしいハト
 決してリクエストがあったわけでもなく、何かレスポンスがあったわけでもない。勝手に、その後のエサあげおじさんの状況を知りたがっている読者がいるのでは?と妄想を抱いて、久々…でもないが近況報告である。

 が、それにしては表題が「エサあげおじさん任意引退か?」とは穏やかではない?…スポーツ新聞や週刊誌の見出しのごとく、読者を引きつけるための大げさなタイトルと見破られるのは見え見えだが、あながちまったくのデマでもない。

 …というのは、つい最近の大型連休である。世間ではゴールデンウィークという呼び名で親しまれているサラリーマンにとって、嬉しい休みのオンパレードである。もっとも筆者のように休みが連続するからと、どこかレジャーに出かけるとか、そういうこととは無縁の人間には、むしろいかに日常の生活リズムを維持するかがポイントなのだが。

 まぁ、それはともかく、この連休2日ほど前から、筆者がひいきにしている例の白いハトは姿を見かけなくなってしまった。あれほど、目をかけてあげて、何とかパンが食べられるようにと策略まで張り巡らせ、可愛がってあげたにも関わらず、姿を見せなくなってしまうとは、さすが野生のハトである。

 白いハトを見かけないまま、ゴールデンウィークに突入した。必然的にエサあげおじさんの業務もゴールデンウィークに突入である。カレンダー通りだったとは言え、5月2日~6日の5日間、エサあげおじさんは某駅前のいつもの広場に姿を見せなかったわけである。

 ハトたちからすれば、人間世界のゴールデンウィークなど知ったことか!というわけで、5日間もいつものおじさんが姿を見せないということは、もしかしたらのたれ死んでしまったのか?と思っていたかもしれない。

 筆者も5日間の連続休暇で、恐らくエサあげおじさんも見放されるだろうな、と一抹の不安を抱いていた。かといって、そのエサあげ業務だけのために、休日にわざわざ電車に乗って、片道1時間半近くかけて出かけていくわけにもいかないではないか。連休だからこそ、普段出来ないことをやるべし、と思っていたし、連休明けにいつものように細かく刻んだパンを持参してももうハトも集まってこないだろう…と思っていた。

 しかも、連休明けの7日は天気も少々悪く、雨の心配もあった。雨でも降ろうものなら、ますますエサあげおじさんは、ハトにとって伝説のおじさんと化してしまうだろう。
 そして7日の朝、いつものように久々にエサあげおじさんは、某駅で下車し、駅前の広場の所定の場所に向かった。幸いにも雨は降っていなかったが、どんより曇った空模様で、わずか2~3羽のハトが所在なげにウロウロしていた。

 エサあげおじさんが所定の場所に到着し、リュックを下ろした。すると、もしかしたら常連のうちの1羽だろうか、スーと飛んできて、そばに着地した。すると、それにつられるようにまた1羽、また1羽と飛来した。 おうおう、何だ!まだエサあげおじさんは過去の人になっていないじゃん!と、少々嬉しい気持ちになった。

 しかし、残念ながらあの白いハトはその日も姿を見せなかった。もうどこか、別の場所に移住してしまったのだろうか?もし、そうだとしても元気で生きていてくれればいいのだが、と考えた。いかんせん、再三このブログでお伝えした通り、要領の悪いハトである。エサを平気で横取りされてしまうハトである。もしかしたら死んでしまったのでは?などとも考えてしまう。

 しかし、まぁ白いハトがいないから、とエサあげ業務を放棄するわけにはいかない。いつものようにおじさんは約10分ほどの業務を遂行した。途中、これまた常連となっているカラスも飛来し、虎視眈々とエサを狙い、正義の味方・エサあげおじさんの再三の威嚇行動で、慌てて場所を移動しては、またもとの場所に戻り、威嚇されては退くというパターンを何度も繰り返した。

 白いハトは不在なものの、集まってきたハトの中で、やけに馴れ馴れしいハトが1羽いた。白いハトのような決定的な特徴があるわけでもなく、多くのハトたちと同じような体の色ゆえ、そのハトがかつての常連なのかもわからない。しかし、結構近くに顔を近づけても逃げようとしないでじっとしている。

 掲載の上段の写真は携帯カメラで撮影したそのハトの写真だが、結構近くでシャッターを押したことがご理解いただけるのではないかと思う。…よし、白いハトは不在となって残念だが、この馴れ馴れしいハトをこれからのひいきにしてあげようか…などとエサあげおじさんは思った。

 そして翌8日。この日も天候が悪く、ポツリポツリと小雨すら降っている悪条件となった。こうなると、ますますハトたちは集まってこないだろう…ゴールデンウィークの長期休暇によって、エサあげおじさんもついに任意引退の引導を渡されるのだろうか?と思わずにはいられない。

 しかし、それでも20羽以上のハトが飛来した。そして、ちょっと離れた場所には例によってカラスも待機している。カラスとの駆け引きはいつものごとく何度か繰り返されたが、この日も無事、ハトたちはパンを食べることができた。しかし、やはりこの日も白いハトの姿はなかった。そして、前日にやけに馴れ馴れしい態度だったハトの姿も見当たらないようである。

 もしかしたら群れの中にいたのかもしれないが、いまいち決定的な特徴をつかんでいないゆえ、わからない。前日の馴れ馴れしい態度があれば、わかったのかもしれないが、小雨もちょっと降っていたこともあり、エサあげ業務もいつもよりはペースも早かったために、結局わからずじまいだった。

 そして土・日とまた連休である。再三繰り返すが、人間世界の連休などハトにとっては知ったことか!なのである。ただでさえ5日連続の業務停止に加えて明けた2日は業務を遂行したものの、天候もすぐれず、また2日間業務停止である。

 えこひいきの筆頭だった白いハトの姿も見えず、エサあげおじさんのモチベーションも少々低下してしまい、では代わりにと白羽の矢を立てた馴れ馴れしいハトもいまいち識別できない。

 表題のごとく、自称エサあげおじさん二代目もこのまま任意引退に追い込まれてしまうのだろうか?もし奇遇にも、このブログを愛読してくださっている奇特な読者がいたら、是非エサあげおじさんに声援を送ってほしいものである。

エサあげおじさん日記その42009年04月22日 14時17分17秒

食後にくつろぐハトたち

 相変わらず、二代目エサあげおじさんのエサあげ業務は継続中である。もう、二代目を勝手に襲名してから3週間は経過しただろうか?こうなると、何やらひとつの義務のようでもあり、某駅前公園で筆者が飼育しているような錯覚にも陥り、休日で某駅に行かないとか、雨で業務遂行が不可とか、そうしたやむを得ない理由がない限り、継続しなくてはいけないような感覚になってくる。

 まぁ、そのために特別何かをしているわけでもなし、自分のパンを買うついでにちょっとハト用のパンも買えばいいことで、まぁここまできた以上は出来る限り継続せざるを得ない。

 ところで、誰ひとりとして愛読者がいるわけでもない奇妙な「エサあげおじさん日記」だが、連載するのもしんどいし、今後は何か特に記すべきことがあった場合のみにするとして、今回でとりあえず4回連続で記してきたが、連続連載はこれまでにしようと思う。というのは、平日約10分のエサあげ業務も特に変化がなく、同じような写真画像を掲載しても、マンネリするのみだからである。

 さて、最新日記であるが、ちょっとした事件があった。いつものようにエサあげおじさんが所定の場所に到着すると、1羽また1羽とハトが飛来してくる。あっという間に30羽くらいは集合する。えこひいきの白いハトも…いたいた。今日もちゃんと来てくれたね。エサあげおじさんは、まずリュックを石段に下ろし、近くのコンビニで購入したコーヒーのフタを開けて、まずのどを潤す。そしていつものように胸元からタバコを取り出し、火をつけて一服する。

 その間、ハトたちは、周囲をウロウロしている。その日は、早くいつものエサをちょうだい…とばかり、膝の上に乗ってくるわ、リュックの上に止まるわ、妙に馴れ馴れしいハトが多くなった。何とあの白いハトさえ、何度かリュックの上にちゃっかり止まっているではないか。よしよし、エサあげおじさんがお待ちかねのパンを配るよ…とばかり配給を始める。いつものごとく、我先にと群がるハトたち。時々、ぬかりなくえこひいきの白いハトにこっそりとエサをあげる。

 ところで、じつは今までの日記では特に触れてこなかったのだが、ほぼ毎回エサあげおじさんが業務を遂行していると、恨めしそうにその様子を眺めている存在があったのである。

 それはカラスである。何となくイメージ的にカラスは不気味で、悪者という印象が強いが、確かにゴミをあさって散らかしたり、その風貌も真っ黒だからダーティ役である。映画などでも登場する場合、だいたい悪魔の遣いだったり仲間だったりする。

エサを狙うカラス

 しかし、よく考えてみると、「カラ~ス、何故鳴くの、カラスは山に~」と歌があるし、筆者の運営するサイトの「独断でおすすめの1冊」でもサイトを通じて知り合った、まるひかる氏の「どこからきたの?しょぼがらす」という素晴らしい絵本もある。そんなこともあり、エサあげおじさんとしては極力平等に…という観点から時折カラスにもパンを分けてあげる。

 これは、ハトたちのエサを取ろうと虎視眈々と狙っているゆえ、ハトに危害が加えられないようにするための防衛策でもあるのである。
 カラスはだいたい、ちょっと離れたところで、チャンスを伺っているから、そのカラスのいる場所から2~3メートル離れたところにパンの切れ端を5~6個置いてやるのである。すると、あの独特の飛び跳ねるような歩き方で急いでパンをくわえる。そうしてやれば、ハトのエサを狙うこともないのである。

 ところが、昨日はたまたまちょっと離れたところにまいたパンが、まだ残っていたのか、それを食べていたハトがいたようなのである。そして自分の分を食べ終わったカラスが、突如そのハトのエサを横取りしようと、ハトに襲いかかったのである!

 バタバタ…と羽根の音がしたので見ると、カラスがハトの羽根を2~3枚口にくわえているではないか!それを見た正義のエサあげおじさんはすぐに立ち上がって歩を1歩進めた。

 するとその気配を敏感に察知したカラスは、慌ててハトから離れ、またいつも止まっている場所に退散したのであった。

 それを見た周囲にいたハトは、一斉にエサあげおじさんの周辺に避難し、カラスと向かい合うような状況となった。しばし、沈黙が流れる。カラスは1羽、それに対してハトは20数羽プラスエサあげおじさんである。カラスがちょっとでも前に出てこようとすると、すかさずエサあげおじさんがすくっと立ち上がる。するとカラスは慌てて後に飛びのく。そんなことを2度3度と繰り返す…そんなシーンがその日は展開されたのであった。

 自然界は弱肉強食であるから、カラスの鋭いくちばしと体格からすれば、ハトは完全に不利である。しかし、その日は正義の味方(?)エサあげおじさんがついているゆえ、事なきを得たのであった。それにしても、そういうことがないようにカラスにもちゃんと分けてあげているというのに…。こんな事態が発生するなら、カラスは徹底的に追い払った方がいいのかもしれないが、なかなか難しいものである。

 カラスもみんな真っ黒だから、見分けがつかないが、恐らく毎回やってくるカラスは同じカラスと思われる。カラスも結構賢いから、パンのようなちょっとつっかえるようなものを食べるときは、それを水に浸してから食べるのである。そんな様子はしたたかではある。
まぁ、今後はちょっと様子を見つつ、ハトの安全性を最優先した対策を練らねばならないだろう。

 それにしても平日はほぼ毎朝、ほぼ決まった時間にしっかりとエサをあげているが、ハトたちは大騒ぎをしてパンを食べ、それが一段落して、しばらくは周囲をウロウロしているのだが、ある程度時間が経過してももはや何も出てこないと知るや、サッと退散してしまう様子はちょっとガッカリの空しさを感じる瞬間ではある。

 まぁ、エサをあげる時には集まってきて、用が済めばサッといなくなる…という光景も、人間社会でいえば、地位や名声がある時にはその周囲に群れて、人気がなくなって下降線になると手のひらを返したように離れていく…それと同じようなもので、生き物の世界ではありがちなことなのだろう。

えこひいきの白いハト3カット