タイトルがものすごく長くて…?2012年03月12日 10時04分51秒

ものすごく01

 トム・ハンクスとサンドラ・ブロックが奇跡の共演…などというかなり大げさな宣伝文句があったように記憶しているが、それ以上にまず何とも変わったタイトルである。劇場で入場券を購入する時にタイトルをフルで言うことができず、「ものすごくを夫婦割で」と購入した始末だった。「ものすごく」だけで劇場のスタッフはもちろん理解してくれたが。

 正確なタイトルは「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」…そんなタイトルの表す通り、映画の展開そのものもちょっと変わった映画である。主人公の少年もどことなくちょっと普通ではない。もちろんそんな性格設定は父親を9.11のテロによって失ったということからは当たり前の設定なのかもしれないが。

 話はその少年が父親が残したメモと鍵から、そのナゾを解こうとする姿を描いていく。母親との感情のすれ違いがあったり、祖母の同居人が実は少年の祖父であり、少年のややこじれてしまっていた精神や感情がノーマルな状態に回復していく流れなのだが、そうした展開がまったく退屈する暇もなくじっくりと鑑賞できる。

ものすごく02

 タイトルの長さや表面的な内容説明のためなのか、あまり話題にならない印象の映画だが、結構名作と言える素晴らしい作品なのではないかと思った。少年がそれまで自分が訪ね歩いた多くに人たちに宛てて手紙を書き、それを朗読するシーンが終盤にあるが、その時のセリフで非常に印象深いものがあった。「やらないよりはやって失望する方がいい」…失望するということは非常に厳しいものである。その字の通り「望みを失う」ことだが、それすら何もしないことよりましだというのである。何もしないことはいかにショックを受けようが、それ以上にマイナスだと言うのである。これは非常に奥の深い言葉である。

 この映画を鑑賞する前日は、事情があり、睡眠時間が3時間ほどしか取れず、映画を見る上では少々悪条件下であった。ちょっとでも退屈すれば一気に睡魔に襲われる危険性があった。しかし、まったく睡魔に襲われることなく、最初から最後まで集中して鑑賞できた映画であった。

ものすごく03

イメージ違いだけど面白い!ヒューゴの不思議な発明2012年03月14日 15時44分33秒

ヒューゴ01

 劇場に置かれたチラシで見かけた時から是非観たい映画のひとつだった。3月1日封切りで、たまたま1日はサービスデーで入場料が1000円均一という映画ファンにとっては嬉しい日だったので、初日に鑑賞したのがこの「ヒューゴの不思議な発明」である。

 当初はそのタイトルやチラシの写真等から完全にファンタジー映画だろうと想像していた。ヒューゴという少年が主人公で、しかも「不思議な発明」というタイトルがつけば、タイムマシンのごとく不思議な装置を天才少年が発明し、そこからファンタジックな冒険でも展開されるのだろうと思っていたのである。

 ところが実際には全く違った。ファンタジー的要素がないわけではないが、それよりは一言で言うなら映画ファンのための素敵な映画…という印象だった。

ヒューゴ02

 時計等の精密機械を仕事としていた父親を火事で失ってしまったヒューゴ少年は、父親が残したゼンマイ仕掛けで動くロボットのような人形の修理に没頭していた。その修理に必要な部品を盗むことを繰り返していたヒューゴはオモチャやいろいろな雑貨を店頭で売っている老人にとうとう捕まってしまう。

 そこから話はその老人の過去につながっていき、実はその老人がかつては映画制作のパイオニア的存在の過去を持っていたことにつながる。ロボット人形はその老人が唯一、処分できなかった魂のこもった過去の遺物だった。修理が終わったロボット人形が描いた一枚の絵から、やがてそのナゾがつながっていく。そして老人は自ら封印していた過去に対して前向きな姿に転換していく。

 だいたいにおいて子どもが主人公の作品というのは面白く、後味が良いものが多いが、この作品も同様にじつにうまく感動させられる。よく考えてみると「不思議な発明」というタイトルは一体何をさしているのか?と思えるが、そんなことはあげ足を取るごとくだから、無視した方がいいのだろう。少なくとも発明とは言い難い内容なのだが、この際はそんな些細なことは考えないべきだろう。見て決して損はないおすすめ映画である。

ヒューゴ03

さすが!?戦火の馬2012年03月18日 22時30分31秒

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 だいたいは劇場の予告編を見て、面白そうだなと思うと実際に鑑賞してみることが多いのだが、この映画に限っては、劇場に置かれているパンフレット等では見かけたことがあったと思うが、何故か予告編を見る機会はなく、新聞広告と監督がスピルバーグということで多分面白いだろうと推測して実際に鑑賞してみた。

 そもそも戦争物は基本的には嫌いなジャンルに属するのだが、この映画の場合、設定は戦時中ということでも主役が馬ということで、通常の戦争物映画とは違うだろうという想像もあった。果たして、実際に鑑賞してみて面白かった!スピルバーグだからなのかはよくわからないが、まったく時間を気にせず没頭して最初から最後まで鑑賞できた。

 父親が本来なら農耕馬を買わなくてはならないところを妙な意地からサラブレッドの馬を購入してしまい、偶然にも子馬の頃を知っていた少年が懸命に世話をして立派な馬に調教するのだが、戦争が始まったために馬は軍隊に強制的に奪われてしまう。そこからこの主人公の馬は飼い主を変え、戦時中の凄まじい状況下で波乱の現実を体験していく。

 やがて軍隊に入った少年と偶然にも再会した馬は、今は立派な大人になったかつての少年の元にめでたく戻るという展開なのだが、その過程が単に何かひとつのことだけを描くのではなく、飼い主の移り変わりと同時に、馬同士の友情をも描き、また戦争という悲惨なものへの批難をも訴え、それらがうまくかみ合ってストーリーが展開していく。

戦火の馬03

 主人公の馬を世話していた兄弟が軍の命令に背いたために銃殺されてしまう悲惨なシーンがあるかと思えば、傷ついた馬を敵味方にも関わらず、協力して助け出すシーンもある。いろいろな要素が1つの展開の中に盛り込まれている。

 前述した通り、最後はハッピエンドである。これがもし、主人公の馬が死んでしまうような結末なら、もしかしたらそれはそれで号泣すべき感動があるのかもしれないが、この映画の場合は見終えた後、ハッピーエンドで良かったと、しみじみ思えた。苦難の道を乗り越えてきた馬にとって、やはりどこかで力尽きてしまったらあまりにも切ないではないか。

 だから無難にまとめた…という意見もあるかもしれないが、この映画では観客のためにもベストな結末だったと思える。さすがスピルバーグ監督の映画と言うべきなのかはわからないが、見終えた後に清々しさを満喫できる映画だった。

 他サイトでのレビューを読むと、いろいろ意見があり、批判的内容のものも見受けられるが、それはそれでいいのではないか?と思う。好みや感じ方は十人十色だし、部分的な細かな分析や設定等はとりあえず、面白いと思ったものは面白い…映画の感想ならずともレビューはそれでいいのではないだろうかと思う。

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