結末は?ハリーポッター「死の秘宝」PART22011年09月05日 09時32分47秒

  9月1日のこと。まとまった有給休暇を取り、しかも1日はファーストデイと銘打って入場料は1000円均一となれば、これは久々に映画でも見ようか、と思った。ところが、そんな時に限ってこれは絶対見たい!と思える映画をやっていない。映画評論を職業としているわけでもないゆえ、何も無理して見る必要もないのだが、こういうチャンスはそう頻繁にあるものでもない…と考えると、どうにも惜しい。

 ならば、そうそう、PART1を見たハリーポッター最終章のPART2があるかと思い、見に行くことにした。3D版とノーマルなフィルム版で上映していたが、3D版は吹替え版であることもあったが、そうでなくても特に3D版で見たいとも思っていなかったので、ノーマルな字幕版を見た。筆者は決して3D映画を否定するわけではないのだが、「アバター」以来、とにもかくにも3D映画…という状況には正直なところ、賛成しかねることも事実である。

 それはともかく、先にPART1を見た際に記したが、筆者にとって不覚にもそれが初めてのハリーポッター鑑賞であった。それゆえ、それまでの展開もまったく理解できず、世間で騒ぐほどの面白さは実感できなかった。しかし、今回はPART1を見た「実績」がある。最終章のみとはいえ、少なくとも前回見た時よりは、スムーズに鑑賞できるのではないかと思っていた。


 果たして、確かにPART2はPART1よりもすんなりと溶け込めた。そして特に間延びすることもなく、退屈することもなく見終えた。そして、まず最初に思ったことは、なんだ、これなら「死の秘宝」の巻はPART1を見なくても十分にこのPART2だけでいいのでは?という感想だった。世間ではこれほどの空前絶後の大ヒット作品だけに、本当に今回の「死の秘宝」で終わりなのか、もう続編はないのか?と話題になったようで、作者がこれで終わり、と断言したことで、本当にハリーポッターは最終章とのことだが、確かに最後は19年後となり、よくあるパターンではあるが、ハリーポッターもお父さんとなり、自分の子どもがかつて自分が所属した魔法学校の宿舎に入るために汽車に乗るのを見送るというシチュエーションでエンドである。

 まぁ、終わらせ方はいろいろではあるが、正直なところ、ちと平凡かなぁと思えた。そして、見終えて時間が経過するにつれて、何やら妙に「よく考えてみると…」と思えることがいくつか浮かんできた。まず、PART1の時は宿敵、ヴォルデモート卿(何か鼻がつぶれたような容貌の人物)が恐ろしい悪漢魔法使いの親分というイメージで、気色悪く思えたのだが、ハリーポッターが死んだと思い、これからは自分に服従するように、とうれしそうにハリーポッター軍勢に言うシーンを思い出して、妙にこっけいに思えてしまった。あくまでも冷徹、クールなキャラクターだった方がいいと思うのだが、妙にうれしそうなヴォルデモート卿の表情は、よくよく考えてみると、何かカエルのようでユニークだなぁと思えた。


 そして、この宿敵ヴォルデモート卿とハリーポッターの世紀の対決は、最後の分霊箱であるというヘビのクビを切り落とすことで、あっけなく幕となるが、そのヘビのクビを切り落とすのはハリーポッターではなく、別の場所で別の人物である。そうした結末から、PART1、そしてPART2と振り返ってみると、ハリーポッターって、活躍したっけ?という妙な印象だった。

 何せ、最終章となる「死の秘宝」からしか見ていないゆえ、ハリーポッターがいかに優秀な魔法使いなのか、仲間内でのヒーロー的存在なのか、理解していないのだが、何か結局あまり活躍していないじゃん?と思えてしまった。勝手なイメージであるが、ヒーローはやはり圧倒的なパワーで悪漢をねじ伏せてほしいではないか。魔法にしても他の誰も決して真似のできない唯一の必殺技を持っていてほしいし、悪漢の親分も死闘の末、自力で倒してほしいではないか。それも最後は誰にも真似のできないヒーローだけが駆使できる必殺の魔法で、である。

 …何やら批判的な内容に思えるかもしれないが、決してそういう主旨ではなく、最初からの流れや展開をまったく知らず、この最終章「死の秘宝」のPART1とPART2のみしか知らないゆえの筆者の勝手な見解である。ファンからすれば、お怒りをかうだろうが、そのあたりはお許しいただきたい。ただ、空前の大ヒットシリーズ作品だけに、筆者としては過大なる期待をしていた傾向がある。特撮にしてもPART1の感想でも記したが、やはり最高峰といえるシーンを大いに期待したし、そうした特撮が魔法の醍醐味でもある。


 ニワトコの杖というのが登場し、それは世界最強の杖なのだそうで、手に入れたヴォルデモート卿は真の持ち主ではないことから、杖がその威力を発揮せず、言うことを聞かなかったようで、実はその持ち主は主人公、ハリーポッターだったとのことだが、その世界最強の杖を駆使して、ハリーポッターにはとてつもないその威力を見せてほしかった。最後は不要の長物として真っ二つに折って、惜しげもなく捨ててしまうにしても、その前にその最強の威力を最新の特撮技術を駆使して大画面で見せてほしかった。

 長年のファンからすると、今回の最終章は恐らく後ろ髪を引かれる思いで、続編への期待もあるだろうが、どんなものにも全て最後があり、終わりがあるからこそ、また新しいものが始まる。やや批判的に前述したが、平凡な結末だからこそ、逆に空前の大ヒットシリーズとしてはよかったのかもしれない。


ライフ~いのちをつなぐ物語~2011年09月09日 08時43分18秒

 今、話題となっている映画「ライフ~いのちをつなぐ物語」をレイトショーで見てきた。この手の映画は「オーシャンズ」以来2度めの鑑賞となるが、決して嫌いなジャンルではなく、むしろ積極的に見たい映画ジャンルなのだが、今までのイメージから何もわざわざ映画館で観る必要はないかな、と思いがちだった。

 しかし、この手の映画こそ本当は映画館の大画面で鑑賞すべきということを改めて思い知らさせた。先のハリーポッターと死の秘宝PART2を見る際に、どちらにしようかと自分なりに候補に上げていた作品ではあったが、その時には1日の映画デーで鑑賞料金が均一1000円だったこともあり、同じ見るなら上映時間が長い方がお得かな、という極めてセコい判断材料で決めたのだが、その時から「生きる」ということを問いかけるような映画PRコピーにかなり惹かれていた。

ライフ3

 実際に見ての感想は、まず映像に驚嘆したこと。自然界で生息する動物を一体どうやってあそこまでアップで写せるのか?と、驚くばかりである。野生の動物の目の表情や、その皮膚の状態などが、信じられないくらいの近距離で映し出される。つい、人間が入った着ぐるみか?などと思ってしまうほどである。素早い動きがスローモーションで映し出されるシーンも何度もあるが、これもまさに今の大幅に進歩した映像技術のなせるワザなのか!と驚く。

 以前見た「オーシャンズ」もそれなりによかったが、海洋生物の世界のみだったが、今回の「ライフ」は多種類に渡ってその生態が映し出される。テレビでもやたらとPRしているようだが、確かに見る価値は十分にあるのではないかと思う。

ライフ2

 ただ、これはあくまでも個人的嗜好の問題でしかないのだが、筆者としては「ちょっと…」と思える場面も多々あった。力の強い部族だけが暖かい温泉につかれるニホンザルの社会は、確かに人間の世界でも権力のある者、経済力のある者だけが味わえる生活があるのは共通であり、不公平でありつつも仕方ない社会構造なのだろうが、それをこうした動物社会でも見せつけられると何とも切ない気持ちになる。

 ダチョウに襲い掛かる3頭のチーター、カマキリを素早い舌のビーム砲で捕獲するカメレオン、ひと噛みして大きな水牛に傷を負わせた後、何日もひたすら水牛が弱るのを周囲でじっと見続け、息耐えた水牛にありつくコモドオオトカゲの驚異的な執念と冷酷さ…こうしたいわゆる弱肉強食は自然界では当たり前であり、またこうした非情とも言える実態があってこそ、生態系が守られていると言えばその通りなのだが、正直なところ、筆者はこの手のシーンが苦手である。

ライフ5

 ひとつの生命が危機にさらされているのなら、何故助けないのか?と、つい思ってしまうのである。いかに弱肉強食とはいえ、生態系の自然の摂理とはいえ、つい目を覆いたくなってしまうのである。特権階級的なものしか温泉につかれないニホンザルの生態は、厳しい野生の世界では当たり前なのだ、と頭で理解しつつも、それを恨めしそうに周囲でこごえながら傍観しているサルが可哀想ではないかと同情し、同時に、人間界でも同じような状況が日常茶飯事にあることを思い、何やら皮肉っているようにも思える。

 自分が生きるために獲物を探し、それを仕留め食事にする野生の世界を非情として、餌食になる側を自然の摂理に逆らって助けたとしたらどうなるのか?そんなことを考えたら、じゃあ人間はどうなのか?自分自身はどうなのか?鶏肉や牛肉や豚肉を食べるではないか。焼き魚もお刺身も食べるではないか。ベジタリアンならどうか、と考えても、植物とてやはり生き物である。人間は野生の世界に生息する多種多様の生き物をエサとして生息しているこの地球上でもっとも凶悪とも言える生き物なのかもしれない。

ライフ8

 バシリスクというトカゲの一種だったか、水の上を超高速で走る姿は、まさに神技ともいうべき芸当だが、それも見事に映像となっている。追っ手から驚異的なスピードと知恵で逃げ切るハネジネズミの映像なども、これは本当に生の映像なのか?とつい疑いたくなるほどである。

 筆者のように、弱肉強食のシーンが苦手でなければ、この地球上に生きる生き物について、驚異的な映像を楽しみ、同時に「生きる」ということについて、各自がそれぞれに考えるところがあるのではないかと思う。近頃は上映作品もすぐにDVDなりブルーレイとなって発売されるが、この「ライフ」はやはり映画館という大画面と迫力のサウンドで鑑賞してこそ、その作品を堪能できるのではないかと思う。100分たらずの長編とは言い難い作品だが、映画館で鑑賞すべき素晴らしい作品だと思う。
 
 前述した苦手シーンはあくまでも筆者の個人的嗜好や感覚の問題であり、またもうひとつ、エンディングのミスチルの「蘇生」という曲はこの作品にはアンマッチではないかと思えた。あくまでも個人的見解であることをご理解いただきたい。

ライフ7